【11ヶ月〜】ひも通しの前に。「棒通し(リング)」で穴の位置を捉える

棒通し 完成イメージ

1. 導入:ドーナツ型のもの、持ちたがりませんか?

トイレットペーパーの芯を腕に通そうとしたり、ガムテープの芯を覗き込んだり。
真ん中に穴の空いた形に、お子さんが特別な関心を示していませんか?

それは、「入れる」遊びから一歩進んで、「穴に何かを通したい!」という新しい知的好奇心の芽生えです。

まだ柔らかい「ひも」に通すのは難しいけれど、動かない「棒」ならできるかも。
将来の「ボタンかけ」や「お裁縫」につながる、通す活動の原点がこの「棒通し」のおしごとです。

2. なぜ「棒」にさすの?(教育的ねらい)

これまでの「落とす遊び」とは、脳の使い方がガラリと変わります。

穴を意識する(空間認知): これまでは「箱の穴」を見ていましたが、今度は「手元の物の穴」と「棒の先端」の両方を見比べ、距離を測る必要があります。

手首のコントロール(微細運動): 棒に対して垂直に穴を下ろさなければ入りません。手首を固定し、ゆっくり下ろす高度な制御力が育ちます。

深さを知る(感覚): 棒にスルスルと落ちていく感覚や、「カチッ」と底に着く感触を通して、深さや重力を体感します。

3. 材料と道具

最初は「棒が太く、短く」、通す穴が「大きい」ものから始めるのが鉄則です。

A. 自分で揃える(DIY派)

  • 土台と棒: キッチンペーパースタンド(木製がおすすめ)や、バナナスタンド。
    (危険防止:先端が尖っていないものを選んでください。)
  • 通すもの:
    • カーテンリング(木製やプラスチック製)
    • ガムテープやマスキングテープの芯
    • ヘアゴム(シュシュ)
    • お手玉(真ん中に穴が開いたドーナツ型のもの)

B. 色彩と形の変化を楽しむ(市販のおすすめ)

市販品を選ぶなら、木の手触りと美しい色彩が魅力の「グリムス社 スティックタワー」がおすすめです。
大きさの異なるリングを通すことで、穴の位置だけでなく「大きさの順序」を自然と意識するようになります。シンプルな形だからこそ、成長に合わせて長く遊べるのも嬉しいポイントです。

4. 遊びへの誘い方(提示)

「穴と棒を合わせる」という動作は、言葉で説明しても伝わりません。ゆっくり見せましょう。

位置と実演

位置: お子さんの利き手側に座ります。

実演(無言で):
① 通すもの(球やリング)を両手、または片手でしっかり持ちます。
② 穴を覗き込むようにして、棒の真上に運びます。
③ 一瞬止まって、穴と棒の位置を合わせます。
④ ゆっくりと手を離し、下まで落とします。「コトン」と落ちたら、ニッコリ笑って見守ります。

誘う

「やってみる?」と手渡します。
最初は棒にぶつかって入らないことも多いでしょう。そんな時は、大人が棒を少し傾けてあげたり、手を添えて穴の位置へ誘導してあげたりと、さりげなくサポートしてください。

5. ステップアップとリカバリー

まだ難しそうな時は(リカバリー)

穴を合わせるのが難しく、棒を倒してしまう場合は、まだ「穴」の認識が難しいのかもしれません。
棒通しは一旦お休みして、穴の大きな「ペットボトルキャップ落とし(広い穴)」に戻り、目と手の距離感を養いましょう。

簡単にできるようになったら(ステップアップ)

一つの棒にスイスイ通せるようになったら、次は「棒が3本あるもの」や「棒の太さが違うもの」に挑戦です。
あるいは、棒がゆらゆら揺れる「ひも通し」へと進む準備が整いました。難易度が一気に上がりますが、ここまでの基礎があればきっと楽しめます。