【0歳〜】おもちゃ箱はNG?「選ぶ力」を育てるモンテッソーリ流・オープン棚の魔法
おもちゃ箱は「ブラックボックス」
大人でも、中身の見えない深い収納ケースから、特定のTシャツを探し出すのは至難の業です。
まだ記憶力や推測力が未熟な赤ちゃんにとって、放り込み式のおもちゃ箱は、まさに「ブラックボックス(カオス)」。
見えないものは存在しないも同然です。だから、遊びたいおもちゃを探すために、箱ごとひっくり返すしか方法がないのです。これは「散らかしている」のではなく、一生懸命「探している」姿なのです。
教育的ねらい:「選ぶ」ことは、生きる力そのもの
モンテッソーリ教育では、子供が自分で活動を選ぶ「自己選択」を非常に重視します。
「今日はこれで遊びたい!」と自分で決め、それに没頭する経験が、将来の集中力や決断力、そして自律心(自分で自分をコントロールする力)の土台となるからです。
そのためには、今持っているおもちゃが「すべて見えている」状態、つまり「オープン棚」が必要不可欠なのです。
ギャラリーのように飾る「オープン棚」の作り方
では、具体的にどのように棚を作れば良いのでしょうか。ポイントは3つです。
1. 成長に合わせた「棚の高さ」
棚の高さは「子供が立った状態、または座った状態で、一番上の段がしっかり見渡せること」が基準です。見えない位置にあるおもちゃは選ぶことができません。
0〜1歳頃(お座り・つかまり立ち):高さ30〜40cm程度(1段)
床に座ったまま、またはずり這いの姿勢でも手が届く高さです。
1〜2歳頃(歩き始め):高さ50〜60cm程度(2段)
自分で歩いて棚まで行き、立ったまま見下ろして選べる高さです。
3〜5歳頃(幼稚園・保育園期):高さ70〜80cm程度(3段)
活動が高度になり、パズルや工作などの数も増える時期。この高さなら、一番上の段にあるものも自分で安全に両手で持ち運べます。
高級なモンテッソーリ専用棚でなくても大丈夫です。カラーボックスを横置きにしたり、手持ちのローボードを代用したりしても構いません。重要なのは「現在の子供の視界と手の届く範囲」に収めることです。
おすすめのオープン棚はこれ!
本格的なおうちモンテ環境を作るのにぴったりな、背板のない美しい天然木のシェルフです。
棚板の幅や奥行き、棚足の高さ、段数などを自由にカスタマイズ可能なため、ご自宅のスペースやお子様の成長に合わせたぴったりの棚を作ることができます。
2. 魔法のアイテム「トレイ」と「カゴ」
棚におもちゃを直置きするのではなく、1つの活動を1つのトレイ(または浅いカゴ)にセットして置くのが最大のポイントです。
例:
・積み木セットをカゴにまとめる。
・「落とすお仕事」のボールと箱をひとつのトレイに載せる。
こうすることで、おもちゃがバラバラにならず「遊びのまとまり」として認識しやすくなります。また、子供が遊ぶ場所に「トレイごと運んでいく」ことができるので、片付ける時もトレイに戻して棚に返すだけ。「元の場所に戻す」という秩序感も自然と育ちます。
3. 「余白」を恐れない
これが最も重要で、難しいポイントです。
棚におもちゃをぎっしり並べてはいけません。おもちゃとトレイの間には、十分な「余白」を持たせてください。
美術館の展示をイメージしてください。美しいアート作品は、広い空間にポツンと置かれていますよね。余白があることで、そのおもちゃの存在感が際立ち、「触ってみたい」「手に取りたい」という意欲をかき立てるのです。
並べるのは、今子供が最も興味を持っている「一軍のおもちゃ」を6〜8個だけに厳選します。(入り切らないおもちゃは、クローゼットなどの見えない場所に「二軍」として待機させ、定期的に入れ替えます)
まとめ:収納は「環境設定」である
おもちゃ棚を整えることは、単なる部屋の片付けではありません。子供が自ら成長するための「環境設定(デザイン)」そのものです。
整然と並んだ美しい棚の前で、子供は目を輝かせ、「今日はどれにしようかな」と小さな頭で一生懸命考えます。その真剣な眼差しこそが、オープン棚がもたらす最大の魔法なのです。
まずは、おもちゃ箱の中身を全部出して、今一番遊んでいる数個だけを、棚に美しく並べてみませんか?