対象年齢: 生後6ヶ月頃〜 ジャンル: 生活・食育

ストローの前に「コップ」?
お口の発達を促す「本物のコップ飲み」のお仕事

コップ飲みをする赤ちゃん

なぜ、いきなり「コップ」なの?

おっぱいを飲む「吸う(Sucking)」動きと、コップで飲む「すする(Sipping)」動きは、口の使い方が全く異なります。

ストローやスパウトは「吸う」動きの延長ですが、コップ飲みには以下の高度な技術が必要です。

  • 唇を閉じる力: コップの縁に合わせて下唇を固定し、上唇を閉じて水を迎えに行きます。これは「口を閉じて食べる」「口呼吸を防ぐ」基礎になります。
  • 舌のコントロール: 舌を引っ込めて、喉へ流し込む動きを覚えます。
  • 呼吸の協調: 「飲む」と「息継ぎ」のタイミングを自分で計ります。

用意するもの:赤ちゃんサイズの「本物」

大人用の大きなコップは、赤ちゃんにとってはバケツのようなものです。口のサイズに合ったものを選びましょう。

お猪口(おちょこ)やショットグラス

直径3〜4cm程度の、厚手ガラスや陶器のものがベストです(100均のガラス製お猪口で十分です)。

なぜガラス?
プラスチックは軽すぎて手元が狂いやすく、縁に噛み跡がつき不衛生になりがちです。本物の重みと、唇に触れた時のひんやりした感触(フィードバック)が、赤ちゃんの注意を引きます。

防水エプロンとタオル

最初は必ずこぼします。

おすすめのファーストグラスはこれ!

くびれがあって小さな手でも滑りにくく、割れにくい強化ガラス仕上げ。保育園でも採用されている定番グラスです。


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実践!コップ飲みのステップ

※中身は「底から5mm〜1cm程度」の少なめでスタートします。

Step 1:唇に触れる(ご挨拶)

赤ちゃんを座らせ、大人がコップを持ちます。コップの縁を、赤ちゃんの下唇に優しく乗せます(まだ傾けません)。「お水だよ」と声をかけ、唇に水の感触を伝えます。

Step 2:待つ(重要!)

ここが最大のポイントです。
大人がコップを傾けて、口の中にジャバッと流し込んではいけません。下唇に水が触れるか触れないかの位置でキープし、赤ちゃんが自分で上唇を閉じたり、少し顎を出して「迎えにくる(すする)」のを待ちます。

Step 3:ゴックンと味わう

赤ちゃんが一口すすったら、コップを口から離します。「ゴックン」と飲み込む時間を与えてください。これを繰り返します。

リカバリープランとネクストステップ

うまくいかない時は(リカバリープラン)

むせてしまう

原因: 水量が多すぎるか、流し込むスピードが速すぎます。
対策: 水は「舐める程度」の量から再スタート。とろみをつけて、液体の流れをゆっくりにするのも効果的です。

コップの縁を噛んでしまう

原因: 歯固めのような感覚で遊んでいます。
対策: 「噛まないよ、飲むよ」と静かに伝え、一度コップを置きます。食卓は遊ぶ場所ではないことを少しずつ伝えていきます。

手で払いのける/掴もうとしてこぼす

対策: 興味がある証拠です!「持ちたいのね」と認めつつ、最初は手を添えてあげましょう。濡れてもいい環境(お風呂場やテラスなど)で、思いっきりこぼさせる練習をするのも手です。

上手にできるようになったら(ネクストステップ)

自分で持つ(両手):

最初は親が支えますが、徐々に赤ちゃんの手をコップに添えさせ、最終的に自分の両手で持って飲めるようにします。取っ手付きの「デミタスカップ」などもおすすめです。

「注ぐ」お仕事(1歳半頃〜):

ピッチャーからコップへ、自分で麦茶を注ぐ練習へ発展します。これは「手首のひねり」と「量の調節」を学ぶ、モンテッソーリの代表的なお仕事です。

小さなガラスのコップを両手で持ち、真剣な眼差しで「ズズズ…」とすする姿は、まるで小さな紳士・淑女のようです。
「こぼすこと」は失敗ではなく、「傾けすぎると水が出る」という物理法則を学ぶ学習プロセスです。
床にはタオルを敷いて、どうぞおおらかな気持ちで、最初の一杯を見守ってあげてください。