対象年齢: 生後1ヶ月頃〜 ジャンル: 粗大運動・身体発達

首すわりとハイハイの基礎を作る
「腹ばい特訓(タミータイム)」

タミータイム中の赤ちゃん

なぜ、わざわざ「うつ伏せ」にするの?

欧米では「Back to Sleep, Tummy to Play(仰向けで寝て、うつ伏せで遊ぶ)」という標語があるほど、赤ちゃんの運動発達にとって欠かせない重要な習慣です。
ずっと仰向けで寝ていると、赤ちゃんの柔らかい頭蓋骨の後ろが平らになってしまうこと(絶壁頭)があります。

タミータイムには、頭の形をきれいに保つだけでなく、重力に逆らって頭を持ち上げようとすることで、以下の筋肉を劇的に鍛える効果があります。

  • 首の筋肉: しっかりとした「首すわり」を促します。
  • 背中・肩・腕の筋肉: 将来の「寝返り」「お座り」「ハイハイ」に必要な上半身の土台を作ります。
  • 視野の拡大: 視点が変わり、床にあるものや周囲の景色が違って見えるため、視覚的な好奇心を刺激します。

実践!タミータイムのやり方

※最も重要なルール:必ず大人がそばで見守り、決して目を離さないでください。

Step 1:まずは「胸の上」から(新生児〜)

床でやるのが怖い時期や、赤ちゃんが嫌がる場合は、ここからスタート。

  1. ママやパパがソファに浅く座るか、仰向けになります。
  2. 自分のお腹や胸の上に、赤ちゃんをうつ伏せに乗せます。
  3. 赤ちゃんと目が合うので安心感があり、自然と顔を上げようとします。

Step 2:床でのチャレンジ(生後1ヶ月〜)

  • 環境: 固すぎず柔らかすぎないマット(プレイマットやラグ)の上で行います。ふかふかの布団やクッションの上は、窒息の危険があるためNGです。
  • サポート: 最初は頭を持ち上げるのが大変です。フェイスタオルをくるくる巻いて棒状にし、赤ちゃんの脇の下(胸の下)に入れてあげると、少し体が持ち上がり、楽に頭を上げられます。
  • 誘いかけ: 赤ちゃんの顔の前に、鏡や黒白のカード、お気に入りのおもちゃを置きます。「あそこに見えるのは何かな?」と興味を引くことで、頑張って首を持ち上げようとします。

時間の目安

最初は1回に数秒〜30秒程度で十分です。
慣れてきたら、1分、2分と少しずつ伸ばし、1日合計で10分〜20分程度を目指しましょう(数回に分けてOK)。

リカバリープランとネクストステップ

うまくいかない時は(リカバリープラン)

すぐに泣き出す

原因: うつ伏せの姿勢に慣れておらず、苦しいのかもしれません。

対策: 無理強いせず、すぐに仰向けに戻してあげましょう。「今日は5秒できたね!」と褒めてあげればOKです。毎日少しずつ行うことで慣れていきます。

顔を横に向けたまま動かない

原因: まだ首を持ち上げる筋力がないだけかもしれません。

対策: Step 1の「大人の胸の上」に戻るか、赤ちゃんの目の高さ(床スレスレ)で音のなるガラガラを振って、視線を誘導してあげてください。

すぐに寝てしまう

対策: 気持ちよくなって寝てしまうことがありますが、SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のため、寝たら必ず仰向けに戻してください。

上手にできるようになったら(ネクストステップ)

首をしっかり持ち上げられるようになったら、次は「腕」と「体重移動」を使った動きへ進化します。

胸まで持ち上げる(ハイヘッド):

肘をついて、あるいは手のひらで床をグイッと押して、胸まで高く持ち上げられるようになります。背筋と腕の力がついてきた証拠です。

片手で遊ぶ(重心移動):

うつ伏せのまま、目の前のおもちゃに「片手」を伸ばして触ろうとします。
これができると、体重を片方の腕に預けることになり、そのままコロンと転がる「寝返り」への準備が整います。

その場で回転(ピボットターン):

お腹を軸にして、時計の針のようにクルクル回ります。欲しいものの方向へ体を向ける、最初の自力での「移動」です。ここから「ずり這い」へとつながっていきます。

タミータイム中の赤ちゃんが、プルプルと震えながら一生懸命に頭を持ち上げ、目が合った瞬間の「ドヤ顔」は、たまらなく可愛いものです。
毎日の遊びの中に、少しずつ取り入れてみてください。