【1歳半〜】「消える」から「残る」楽しさへ。
「ペグさし」で目覚めるデザインの心

ペグさし 完成イメージ

「ポトン!」の次は、「ニョキッ!」

ストローやコインを穴に落とすことに夢中だったお子さんが、ふと、穴に入れたストローをまた引っ張り出そうとしたり、穴に刺さったままの状態をじっと見つめていたりしませんか?

それは、「入れたら終わり(消失)」の遊びから、「入れた結果が目に見える(構築)」遊びへと興味が進化しているサインです。

小さな穴に棒を差し込み、まるで花が咲いたように盤面を彩っていく。
指先の精密さと、模様を作る創造性を同時に育むのが、この「ペグさし」のおしごとです。

なぜ「ペグ(杭)」をさすの?(教育的ねらい)

「落とす」活動と似ていますが、決定的な違いがあります。それは「物がそこに留まる」ことです。

指先の力加減(巧緻性): ストローは重力で落ちますが、ペグは指の力で「グッ」と押し込む必要があります。この「抵抗感」が指の筋肉を強くします。

位置のコントロール(目と手の協応): たくさんある穴の中から「ここ!」と決めた場所に正確に先端を持っていきます。

秩序と構成(美的感覚): 「赤を並べたい」「端っこから埋めたい」という意志を持って配置することで、将来の「数」や「図形」の感覚、そして「デザインする力」が育ちます。

材料と道具

市販のおもちゃも多いですが、最初は「刺しやすい」ものから選ぶのがポイントです。

A. 自分で揃える(DIY派)

ペグ:
100円ショップの「木製ダボ(家具の棚受けなどに使う部品)」や、ゴルフのティー(プラスチック製や木製)。
ポイント: ゴルフのティーは持ち手が大きくくびれているため、指が滑りにくく、初心者(1歳半〜)に特におすすめです。

土台:
有孔ボード(パンチングボード)。
ポイント: そのままだとペグが下まで貫通して落ちてしまうため、裏側にダンボールや板を貼り付け、「底」を作ってください。「刺さって止まる」感覚が重要です。

B. 色彩感覚も育てる(市販のおすすめ)

「もっと綺麗な色で遊ばせたい」「長く使える良質な木製おもちゃが欲しい」という方におすすめなのが、ドイツ・HABA社のペグ遊びセットです。
鮮やかな美しい色彩と、小さな手でも握りやすい丸みをおびたペグが特徴。木の温もりに触れながら、指先の巧緻性と豊かな色彩感覚を同時に育むことができます。

準備と遊び方

準備とセッティング

ペグは散らばりやすいので、最初から全てを出さないことが大切です。

トレーの上に: 左側に「ペグを入れた器」、右側に「ボード」を置きます。
ペグの数: 最初は5〜10本程度から始めます。多すぎると「全部埋めなきゃ」というプレッシャーになり、集中できません。

遊びへの誘い方(提示)

「穴に入れる」ことは分かっていても、「並べる」ことはまだ未知の世界です。美しく見せてあげましょう。

  1. 位置: お子さんの利き手側に座ります。
  2. 実演(無言で):
    • 左手でボードの端を軽く押さえます。
    • 右手でペグの「頭」を親指と人差し指でつまみます。
    • 狙った穴の上に運び、先端をあてがいます。
    • 垂直に立てて、ゆっくりと押し込みます。
  3. ポイント: 1本刺したら、その隣の穴に2本目を刺します。「並んでいく綺麗さ」を印象付けます。
  4. 3本ほど並べて刺したら、「やってみる?」と誘います。

最初はバラバラに刺しても構いません。「刺さった!」という感覚を楽しんでいれば花丸です。慣れてきたら「赤だけ集めてみようか」と色分けの提案をしてみましょう。

ステップアップのヒント

ペグさしがスムーズにできるようになったら、少しずつ難易度を上げてみましょう。

  • ペグを細くする: つまようじや竹串(先端をカットしたもの)など、より細い棒を使うことで、指先の微細なコントロール力が養われます。
  • 穴を小さくする: 穴の余白(あそび)を減らすことで、「正確に狙う」集中力がさらに高まります。
  • 模様を作る: 「赤・青・赤・青」と交互に並べたり、四角形を作ったり。秩序ある配置への興味を引き出します。