子どもが大人が使っているペンに興味を持ったり、紙に何かを描きたそうな素振りをし始めると、「そろそろお絵描きデビューかな?」と考えますよね。
「鉛筆や色鉛筆はいつから持たせていいの?」
「壁や床に落書きされないか心配…」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は子どもの発達段階に合わせた道具の選び方と、モンテッソーリ教育の視点を取り入れた「お絵描きに集中できる環境づくり」のポイントをご紹介します。
鉛筆や色鉛筆はいつから?年齢別のステップとおすすめの道具
鉛筆や色鉛筆など「描く」お仕事への興味は、1歳半〜2歳頃から本格的に始まります。しかし、最初から細い鉛筆を上手に持てるわけではありません。子どもの手の発達に合わせて、少しずつ道具をステップアップしていくことが大切です。
1歳半〜2歳頃:なぐり描きの時期
特徴: 手をグーにして握る「握り持ち」の時期です。指先ではなく腕全体を大きく左右に振って線を描いたり、トントンと点を打ったりします。「自分の手が動くと、紙に色がつく!」という原因と結果の発見が楽しい時期です。
おすすめの道具: まだ筆圧のコントロールが難しいため、細い鉛筆は芯が折れたり紙を破いたりしてしまいます。軽い力で色がしっかり出る蜜蝋(みつろう)クレヨンのブロック型や、小さな手でも握りやすい形状のベビーコロールなどが最適です。
2歳半〜3歳頃:丸が描けるようになる時期
特徴: 腕全体から少しずつ指先のコントロールができるようになり、ぐるぐると丸(閉じた円)が描けるようになります。また、大人の真似をして指先で持とうとする姿が見え始めます。
おすすめの道具: ここで初めて太めの色鉛筆や三角軸の鉛筆の出番です。軸が太くて短いものを選ぶと小さな手でも扱いやすく、自然と正しい持ち方(3点持ち)へ移行しやすくなります。
4歳〜5歳頃:意図した形を描く時期
特徴: 指先のコントロールが洗練され、「顔」や「家」など頭で思い描いたものを形にしたり、文字のなぞり書きに興味を持ち始めたりします。
おすすめの道具: この時期から、一般的な細さの鉛筆(2Bなど)や、様々な色が揃った細い色鉛筆へと移行していきます。
モンテッソーリ流!初めての「描く」環境設定 3つのポイント
道具を揃えたら、次は「環境」を整えましょう。モンテッソーリ教育において、子どもが集中して活動(お仕事)に取り組むためには、環境設定が非常に重要です。
1. 画用紙は大きく、動かないように固定する
1歳半頃は腕を大きくダイナミックに動かします。そのため、紙は大きなサイズ(A3や画用紙など)を用意しましょう。
そして最大のポイントは、四隅をマスキングテープで机に固定してあげることです。紙がズレてしまうストレスがなくなり、子どもは「描くこと」だけに深く集中しきることができます。
2. 「描く場所」のルールを決める
落書きを防ぐために、「お絵描きは、この机と椅子に座ってだけ」というルール(秩序)を最初から伝えます。
歩きながら描いたり、壁に向かって描いたりしようとしたときは、「お絵描きは机でやろうね」と優しく、かつ一貫して伝え続けることが大切です。
3. 道具は厳選してトレイへ
最初は1〜3色程度のクレヨンだけを、小さなトレイやカゴにのせて棚にセットします。
いきなり24色入りの立派なセットを渡してしまうと、情報が多すぎて気が散ってしまったり、箱から出し入れすること自体が目的になってしまったりします。少ない数からスタートし、「終わったらトレイごと棚の定位置に戻す」というサイクルを作りましょう。
おわりに
1歳半からの「描く」活動は、手先の器用さ(巧緻性)を養うだけでなく、「自分でできた!」という自己肯定感を育む素晴らしいお仕事です。
まずは大きめの紙と握りやすいクレヨンからスタートし、「描くって楽しい!」という感覚を親子でたっぷり味わってみてくださいね。